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『電動2段ベルト減速ユニットモーター&バッテリー選びのポイント』 その4
 ラジコン技術 2007年4月号才川篤志氏

 減速ユニット・テスト

 フライト前にユニットのテストを行いました。目的は,振動や音のチェック,モーター電流や回転敷の確認です。結果は表1を見て下さい。
 これらの結果から、すべて使用可能範囲と判断できました。ただし各プロペラの特性は実際にフライトしてみないと解りませんので,すべてのプロペラを装着し、テストすることにしました。またどのプロペラでも振動などは皆無で.非常に静かです。期待が膨らみます。

表1/テスト結果
メーカー サイズ 回転数(rpm) 電流(A) 電圧(V) 理論入力(W)
APC 14×10E 7220 40.8 17.4 710
APC 14×12 6990 47.8 17.3 827
Menz 15×8 7170 45.7 17.3 791
APC 16×10 6600 54.4 16.5 898

写真11・12 減速ユニットの取付状況
3本のステーで第一防火璧に取り付け,機体下部にエアー取入用の開口部を加工した。

 大空へ!

 いよいよテスト飛行です。減速ユニット製作者の吉川氏も見ています。満充電のリポを搭載し,スタート位置に誘導。クラブ員注目の中,スタートしました。機体は7割程度のスロットルで,あっけなく離陸してしまいました。目立ったクセもなく,舵角は組立説明書どおりでOK。見た目はクラシックですが,なかなかの存在感です。タイヤもしっかりと主張しています(芙)。
 飛行特性は"マイルド"の一言! まあ癒し系ですね。なぜかホッとします。スロットルは5割程度で水平飛行しています。フル・スロットルで大きな宙返りが余裕です。重さを感じさせない電動独特の感覚があります。また音がほとんど聞こえません。かすかなプロペラ風切り音のみです。非常に静かなため,スロットルと飛行速度の感覚が、いまいちつかめず,苦労しました。着陸態勢も,適度な沈下率と高い安定性で,GOODです。
 5分ほどで着陸させ,とりあえず電池使用量のチェックをしたところ,1800mAhを使っただけでした。その後は,クラブ員交代でフライトタイムをエンジョイです。見ている私の心配をよそに,結構過激に楽しんでいました。皆さんからは,なかなかの高い評価を頂きました(お世辞半分かな??)。 プロペラはMenz15×8が,すペての回転域で良い感触が得られましたので,これに決定しました。
写真13
4種類のフロペラを選択
写真14
各プロペラごとに回転数,電流,電圧をチェックしてみた
写真15 バッテリーの搭載状況
インテレクト5 S3300をほぼ重心付近にセット

 航空ページェントに出場

 この機体とユニットは,第20回の航空ページェントにてフライトの機会を得ました。多くの方々から質問攻めに会い、改めて電動に対する関心が多いことを実感しました。
 今回,ベルト減速ユニットという新しい機構を組み込んだ電動機をフライトさせ、多くのことを学びました。
 この減速方式は振動,音の面で非常に優れており,さらなる発展が可能と思えます。減速比6:1で,さらにコンパクトなものができれば,FAlで規定されている2mフル・サイズのスタント機に適用できます。また中小型機にも充分で,あえてKv値の低いアウトランナー・タイプを使わなくても,Kv値の高いブラシレスでOKです。電動化の大きなウェーブの中,新しい減速機構の出現により新たな可能性が引き出されることを期待しています。最後にお世話になりました関係者の皆様に誌上をお借りして御礼申し上げます。

写真17
特性はマイルドなスポーツ機。タイヤが主張しています
写真16
甥っ子の幸希君がハイポーズ!
未来の一流フライヤーをめざし特訓中

その3 その5へつづく

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