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超高精度で 見た目もクールな折ペラ用

ご−まるスピンナー   その1

超高精度な金属加工で愛好者の多い「ご−まるプロダクト」から、このたび30mmと38mm径の超高精度な折ペラ用「ご−まるスピンナー」が発売されましたので、紹介させていただきます。

30mmと38mmスピンナー
  文と写真: 才川知利氏
ラジコン技術 2009年9月号に掲載
セット内容

スピンナートップ (A2017Sジュラルミン/
  ニッケルクロームメッキ)
ボトム (同)
φ3mmブレードボルト2本 (SUS303)
φ2mmブレードボルト2本 (30mmスピンナーのみ)
コレット (Bsbm真鍮製/軸径指定品1個)
締め付け棒

価格 30mm 4,750円
    38mm 5,750円
(注)コレット軸径は購入時に指定
スピンナーの精度とバランス

 スピンナーに求められる性能はなにか? まずは精度です。 モーターやエンジンの出力軸と、スピンナーの中心軸が、完全に一致していることが第一です。 次に、スピンナーの中心軸とプロペラ取付面(パックプレートや折ペラの取付部)が直角になっていること。 さらに中心軸に対して、円周方向に各部分の重量が対称になっていることも必要です。 その上で、必要な強度を確保しながら、できるだけ軽量であることが望ましいことになります。

 実際にプロペラのバランスを取ったのに、どうしても振動が出てしまうことってありませんか? そんなときは、スピンナーの精度とバランスを疑ってみてください。 以前、どうやってもプロペラの回転面が合わず、振動が取れないことがありました。 いろいろ調べましたら、何とスピンナーのバックプレートの取付台座部の鉛直が出ていない上に、穴のセンターまでずれていました。 よく、シャフト径に合わせるためにスピンナーの取付穴を広げる場合がありますが、くれぐれも慎重に.中心がズレないように加工してください。

 また、ある一定の回転数になると突然振動が発生する場合があります。 これが一番タチの悪い「共振」で、低回転では小さな振動でも、ある回転数になると突然大きな振動に変化し、最悪、モーターマウントごとポッキリといったトラブルが発生します。 これが飛行中だったら…こわっ! この場合は、スピンナーのみならず、マウントやモーターシャフトの強度といった要素が複雑に関連しますので、原因を特定するのが困難です。

 振動というのは、本来プロペラを回すべきエネルギーの一部が変化しているものですから、ロス(損失)になります。分かりやすく言えば、パワーが落ちるということ。そして、モーターのベアリングにも過大な負担を与えて寿命を短くしますし、機体やサーボにも悪影響を与えます。 電動機は、エンジン機に比べて機体やサーボが傷まないというのは、振動の少なさが影響している結果です。

 超マニアックな金属加工

 「ご−まるスピンナー」は、ぜいたくにも、通称17Sジュラルミンのブロックから高精度切削加工により削り出されていますので、従来の折ペラ用のスピンナーとは桁違いの精度と強度を持っています。 さらに、部品点数を抑えることにも成功しました。

 一般的な金属製のスピンナーは、材料費を抑えるためにアルミ板をプレスして製作されていますが、これを均一な肉厚で正確に仕上げることって、けっこう難しいものです。

 究極のスピンナーを作るには、大きな金属ブロックから高精度な加工機械で一体的に削り出せば良いのですが、とにかく切削工程が複雑で、加工時間が長くなりますし、そのうえ、治具を使用しての切削工程が必要となるなど、一般的なプレスものと比鮫して、とんでもなく手間がかかります。 材料費だってプレスなら板ですけど、こちらはブロックなので結構かかるんだよと社長はポヤいておりました。 でも、強度と精度を確保するためには譲れないのだそうです。 製品には仕上げとしてピッカピカのニッケルクロームメッキが施され、見た目もクールな、かっこいい製品になっています。


その2へつづく

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