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『電動2段ベルト減速ユニットモーター&バッテリー選びのポイント』
 その2
 ラジコン技術 2007年4月号才川篤志氏


  えっ,突然のトラブルも?

 4C52クラス電動機が,快調にフライトしています。聞こえるのは,かすかな高周波音とプロペラの風切り音のみ,とてもエンジン機には真似ができません。15インチもあるプロペラを回しパワーも充分! トルクロール系の力技も余裕です。が,しかし突然のモーター停止,大破。直前に変な音がした直後の出来事です。本人の後姿がかすかに震えて・・・。
 回収した機体のアウトランナー・モーターが異常です。モーターを解体してみると,外缶の磁石が部分的に破損,明らかに“かじった”状況でした。まだ数フライトしかしていないということでしたが,飛行中に相当大きな力が加わった模様です。ベテランさん日く“大型ペラに働く外力ってすごいんだよ,弱い構造の機体だと,機首部はとんでもなく振れてるよ”
 原因ははっきりしませんが,おそらくモーター周辺の強度的な問題やペラのバランス,後ろ側支持というマウント形態であろうという意見が多く出ました。

  発想の転換

 こんなトラブルが仲間うちで話題となって,しばらくしてから50プロダクトの吉川芳秋氏が,なにか得体の知れない物体を持って遊びにきました。なんと90クラス相当だというモーター用ベルト減速装置です。しかも2段減速という見たこともない代物です。減速比は4:1です。おそらく日本初,いや世界初かもしれません。
 氏の話だと,大型アウトランナー・モーターを研究されていたそうですが、強度や耐久性に疑問を感じていたことが、開発、試作のきっかけとのこと。減速装置は各種あるが、それらの良い箇所を取り入れた物を目指したとのお話でした。まったくの新機軸の物が生み出されました。
“ちょっとテストしてみてよ”の言葉におもわず飛びついてしまいました(写真1,2)。
写真1
電動2段ベルト減速コニットは減速比4:1
写真2
非常にコンパクトにまとめられた各パーツ。
52クラスの機体に搭載可能


  機材をどうする?

 いきなり90クラス電動といわれても,機材がすぐには揃いません。そこで,評価試験もあるため4C52クラスに定め.機材の調達です。使用する機体はK&S社から発売されたばかりのシルキーウインドOTMを選定。特徴あるノスタルジックなスタイルが気に入ったのもありますが、胴体が太く、クラスー体成型でどんなバッテリーも搭載できそうです。
プロポはJRの新製品X−2720が事前に購入してありましたので、これに決定! シンセサイザー方式で多機能の割には低価格、お財布にやさしいお勧め品です。

写真3
プロポはJR X 2720。手になじむデザイン。
写真4
キット構成部品。ほとんど完成状態。
写真5
大きなバルーン・タイヤ(アルミ・ホイール付き)
が付属。エアーを入れると何ともいえない感触が・・・

その1 その3へつづく

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