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スケール機

第一回 「Isaacs FURY」(アイザックス フュ−リ−) 製作記。

 UNFL-1エンジンは、スケール機の動力に適しています。古崎仁一は、デモフライト用に3.5分の1の大きさで作る事にしました。このサイズは、直径20インチのプロペラを基準に決めました。つまり、実機のプロペラの大きさを、20インチに縮小する割り合いが3.5分の1なのです。

 実機「Isaacs FURY」は、ホーカー フュリー戦闘機を7/10の、大きさにしたホームビルト機です。RAFのフュリーが、ロールスロイス ケストレル525HPエンジン装備に対して、「Isaacs FURY」の方は、チェコ製のワォルター マイクロン3型65HP直四空冷エンジンを、倒立に搭載しています。

模型の設計
 実機の資料は、エアロモデラー誌1965年1月号にあります。精密な図面ですからスタンドオフスケール機にはこれで十分です。
 基本的な構造は実機と同じにするとしても、翼型は変える事にしました。実機のRAF28(9%)に対し、模型ではRAF38(13%)を用います。
 普通、複葉機には薄翼型が用いられますが、本機では20インチという20ccクラスのグローエンジンにしては、大直径で推力が大きいプロペラを用いるので、厚翼型の方がスピード以外の総ての点で有利になります。

 来る、11月3日に尾島町で行われるR/C航空ページェントに出るつもりですが、それまでに間に合いますかどうか……?  

   
第二回 「Isaacs FURY」 製作記 


 原寸図面の作成に手間取ってしまい、やっと上翼の骨組みができました。実機通りの三分割構造ですが、接合部の工作など、大型模型は初めて作るので時間ばかりかかります。
 リブは、32分の3(2.4mm)シート材から切り出しました。1.5mmの、航空ベニヤから型をつくり、デザインナイフで切り出します。

 スケ−ル機を、それらしく見せるポイントは、エンジン周り、降着装置、コックピットの工作にあると思いますが、本機のような解放座席の場合は、特に目立ちますので、パイロット人形も重要な部品となるのです。実感がある人形を作るために、テンプレートを用いて見当をつけておきます。
 同様に、スケール感有るタイヤを用意します。今回はフランス製のものを、HOBBY LOBBY(アメリカ)から買いました。

   
第三回 「Isaacs FURY」 製作記
 
 今年の盆休みは、どこへも行かずにこれを作っていました。
実機がホ−ムビルト機なので、ごく単純な構造に設計されているにもかかわらず、大型模型のスクラッチビルドというものは、中々にしんどいものだと実感させられます。

 下翼尾翼の骨組み、胴体中央部胴体後部の写真を示します。

 いざ組んでみると尾翼と胴体中央部は、強度過多(つまり重い)のようです。そこで外皮材を薄いものに代える事にしました。構造材をもっと細くして、セミモノコックにすればよほど軽くなりそうです。
 しかし、これは作ってみて初めて分かる事なので、良い機体をものにするのには、何機も作ってみなければならない……。針谷さんなどが同じ機体を、何機も作ると言う事も理由が有るのです。 
 胴体の縦通材は、ベニヤ板を瞬間接着剤で張り合わせたものを用いていますが、かなりの強度が有ります。

 パイロット人形の面白いキットを見つけました。DGA Designs社製のゴム製品で、絶対的に軽いという触れ込みですが、ぬいぐるみのような構造ですから、重くなるわけが有りません。身体やスーツ類は型紙から自作するようになっています。
 1/6 1/5 1/4 1/3 の各サイズが有ります。わたしは、TOWER HOBBIES(アメリカ)から買いました。

   
第四回 「Isaacs FURY」 製作記 
 
 降着装置ができました。英語ではアンダーキャリッジ、米語ではランディングギアと呼ばれるこの部分の工作は、特に意味が有ると思います。
 というのは、主要部品である以上に、製作作業の励みになるのです。部分品が段々できてくると、気分が良くなるといった経験は皆さんお持ちかと思います。私の場合はここができて胴体と繋がると、機体が立ち上がったようでなんともいい気持ちになるのですが、変ですか?(笑、ハハ)。

 脚の材料は、知り合いのバネ屋さんからもらったステンレス線、φ4、φ2.6、φ2 から作りました。この材料は本当のピアノ線ほど固くないのですが、適度の弾力があって柔らかいので加工し易いです。ハックソ−の歯をつけた弓鋸で切断可能です。本機にはこれで十分です。
 車軸は、6mmのアルミパイプの中に 4mmのステンレス線が通されています。輪ゴムの緩衝器を巻く部分は、ジュラコン材を糸巻き状に削り出し、(旋盤仕事)軸に圧入しました。

 本機の特徴は、脚マウントと下翼の取付ブラケットを兼ねたアルミ部品にあります。上下の翼を組んだまま胴体から取り外す為に考案したもので、無論、実機にはない部品です。脚ができたので仮組してみました。当家の白猫と比べるとその大きさが良く分かります。

 この段階でコックピットに計器類を取り付けておきます。真ん中に有るのが旋回計、その右が高度計、左が速度計、その下にあるのは左から順にオイル圧力、オイル温度計、回転計、点火スイッチ、昇圧ポンプ、(のつもり)です。スケール機にとって、この「〜のつもり」というのが、実は一番大事なのです。

 11月の航空ページェントに出場を申し込みました。(間に合わせなくっちゃ!!)


   
第五回 「Isaacs FURY」 製作記
 
 航空ページェントに出場する事が決まりました。
翼間支柱の工作も終わって、もう少しで生地完成状態になります。
仮組してみました。 尾翼は取り外し式に変更しました。エレベーターのリンケージも実機と同じワイヤー方式です。
エンジンルーム上下のカヴァ−は0.4mmの航空ベニヤを型枠に、二枚重ねエポキシ接着しました。アルミ板より軽くて強度も十分です。エンジンルームには十分なスペースがあって、エンジンをうまく収納できます。ガソリンエンジンでは、こうはいきますまい。
機首が細いので延長軸をつけるつもりです。 ここまで来ると全備重量の見当がつけられます。 5.3キロぐらいであがりそうです。 まずまずの重さでしょう。

 もう少しで被覆作業にかかれます。せっかくの大型複葉機ですから実機同様羽布張りド−プ仕上げにしたいのですが、時間がないのでフィルム張りにせざるを得ません。 クヤシイイイイイー!



   
第六回 「Isaacs FURY」 製作記
 
 ほぼ仕上がりました。(前からみた写真後ろから見た写真
翼間支柱と張線の工作は複葉機製作の難関のひとつです。本機の場合でも合計作業時間はまる四日つまり約50時間もかかりました。もっとも取り付け金具も総て自作したせいで、できあいの部品が使えればよほど早くできるでしょう。

 今回の製作は本当にキビしかった。休日は総て制作時間に当てるのはもとより、よけいな事は一切できませんでした。発表の日にちが迫っているせいです。やはり自作機は余裕をもってゆったりと作るべきものでしょう。



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